レジ袋の値上げが難航している。今月施行された改正容器包装リサイクル法で小売業界がレジ袋の削減を強化し,需要減の逆風が吹いていることが一因だ。原料の合成樹脂には再び値上げ圧力が強まり、設備廃業や事業見直しを迫られるレジ袋メーカーも出始めた。
福助工業(愛知県四国中央市)やスーパーバッグなどのレジ袋大手は昨秋、原料高を理由に買い手のスーパーなどに10%前後の製品値上げを要求。原料の高密度ポリエチレンの国内価格は原油高を背景に昨年7、11月に1キロあたり計25円(16%)上昇した。
レジ袋の価格は汎用サイズ(幅30センチ×使用時の奥行き15センチ×高さ55センチ)が1枚2円50銭ほど。一部で約3%上昇したが、取引価格全体の底上げには至っていない。
需要減でレジ袋メーカーは強気の姿勢を取りにくい。日本ポリオレフィンフィルム工業組合(東京・中央)によると2月のレジ袋出荷量は12.7%減。昨年9月から前年を1割前後下回る状態が続く。大内丈夫専務理事は「改正容リ法で販売量が減っている」と分析する。
改正容リ法は環境配慮の観点からプラスチック製品などの排出抑制を目指す。スーパーなどには容器包装の使用量などの報告義務が課され、取り組みが不十分だと罰則を受ける可能性もある。小売り大手のイオンは2010年までにレジ袋を5割以上減らす方針だ。
国内品より2割近く安い輸入品も増えている。レジ袋を含むポリエチレン袋の2月の輸入量は前年同月比15.7%伸びた。
昨年後半の原油高一服を受けて今春にポリエチレン価格が反落したことも、レジ袋の値上げが難航する一因となった。ただ3月ごろから原油は再騰しており、ポリエチレン各社は5月出荷分から再び8〜10%の製品値上げを求め始めた。
小売業界が再編を進め購買力を強める一方、レジ袋メーカーは中小含め依然として数十社ある。流通大手に対し、個々の価格交渉力は弱く、レジ袋の販売価格を引き上げるのは容易ではない。
3月に中堅の赤坂横ポリ工業(岡山市)は収益悪化を受けて岡山地裁に破産手続き開始を申し立てた。業界4位のジェイフィルム(東京・千代田)も5月末をメドに同社生産量の6割を占める子会社の工場を閉鎖する。
業界には「レジ袋はかりがやり玉に挙がっている」との不満もくすぶる。レンタルビデオの貸し出し用袋など、商品ではなくサービスの提供に使う容器包装は容リ法の対象外だからだ。経済産業省も「ゴミ削減を促進する上では誰もが目にする物のほうが効果的」と打ち明ける。
とはいえ「プラスチック製品削減の流れは今後も変わらない」(経済省)。ジェイフィルムの堀内孝彦取締役は「食品や医療向けなどの特殊フィルムに注力する」という。新たな収益分野を求め、レジ袋メーカーの手探りは続きそうだ。 |
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